NISA(ニーサ)とは? ~日本版ISA/少額投資非課税制度~



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 最近テレビや新聞などでNISA(ニーサ)という言葉をよく聞くようになりましたが、これは一体どういうものなのでしょうか?

 NISA(ニーサ)とは 20歳以上の個人が金融機関に少額投資非課税口座を開設することで、年間100万円の元本までのその口座での上場株式・投資信託等の取引による利益や配当金5年間税金がかからなくなる制度です。
 投資可能期間は平成26年(2014年)から平成35年(2023年)までの10年間、投資総額は合計500万円までです。


   例)20万円で買った株式を30万円で売った場合(平成26年1月以降)

     ・NISAを利用しない場合
       30万円(売却額)- 20万円(購入額)= 10万円(売却益)
       10万円(売却益)× 20.315%(※)= 20,315円(税金)
       (※)平成25年までは10.147%ですが、平成26年からは20.315%の税金がかかります)

     ・NISAを利用する場合
       30万円(売却額)- 20万円(購入額)= 10万円(売却益)
       10万円(売却益)× 20.315%(※)= 20,315円(税金) → 非課税

ではここで、このNISAについてポイントをまとめてみましょう
NISAのポイント

非課税対象
株式や投資信託の値上がり益や配当金(分配金)
非課税投資枠
毎年100万円まで(翌年への繰越しはできません)
期   間
5年間(売却しても非課税枠の再利用はできません)
投資総額
最大500万円(最初は100万円から)
制度可能期間
2014年から2023年までの10年間
(毎年100万円ずつ非課税枠の設定ができます)
NISA口座開設者
20歳以上の個人

 ところが、NISAはいいことばかりではありません。
下記のようなデメリットもありますので注意が必要です。


Ⅰ.口座は1つだけ

 NISAは下記のそれぞれの設定期間に1回しか口座を開設することが出来ません。
ですので、手数料が高かったから他に口座を作ろうと思っても4年間はガマンしなければなりません。
 口座開設キャンペーンの特典だけを見て、すぐに飛びつかないように注意しましょう。

  ①2014年~2017年(平成26年~29年)
  ②2018年~2021年(平成30年~33年)
  ③2022年~2023年(平成34年~35年)


Ⅱ.損益通算ができない

 株式の売買をしていると、当然ですが利益がでる時も損失がでるときもあります。
通常であれば、利益と損失を相殺してから税金を計算します。

 例えばA株式が50万円の利益、B株式が20万円の損失の場合には

      50万円(利益)- 20万円(損失)= 30万円
      30万円×20.315%=60,945円(税金)

といったように、損失分を考慮してもらえる仕組みになっています。

ところが、NISA口座で保有している株式等については、その他の株式等との損益通算はできません。NSA口座以外の口座の株式等と損益通算できないだけでなく、NISA口座内の株式間でも損益通算できません。

 一定の要件を満たせば、利益や配当金が非課税になる分、損失がでても一切考慮してもらえないので注意が必要です。


Ⅲ.欲しい商品(株式等)が買えない

 NISA口座を利用することで優遇措置が受けられるのは、上場株式、REIT(不動産投資信託)、ETF(上場投資信託)、株式投資信託等になります。

しかし、証券会社等によってNISA口座で取り扱える銘柄や種類が異なるため注意が必要です。銀行のNISA口座では株式や投資信託は購入出来ますが、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(上場不動産投資信託)などは購入できません。
 口座開設をする前に、自分の買いたい商品(株式等)をその証券会社等が取り扱っているかきちんと確認しましょう。
 後から気がついても、Ⅰで書いたように追加で口座を開設することはできません。


Ⅳ.リサイクル(再投資)ができない

 NISAは年間100万円までの新規投資した株式等について、値上がり益や配当金(分配金)を最長5年間に渡り非課税にする制度です。

では次のような場合を考えてみましょう。

  ・2014年1月にNISA口座で60万円の株式等を購入
   (非課税枠の残り=100万円-60万円=40万円)
          ↓
  ・2014年3月に上記株式等を売却

 このとき、手元には株式等が無くなってしまうので非課税枠は100万円に戻るのでしょうか?
答えは「No」です。
一度使用した枠はリサイクル(再利用)できませんので注意が必要です。



 以上が現在考えられるデメリットですが、これらを考慮しても最終的に得をする人がどれだけ出るのか・・・
個人的には口座開設にはまだ踏み切れません^^;

※本文については、イメージしやすいように書いておりますので、手続き方法など詳細な部分は省略しています。
※今後、NISA制度の改正の動きが有ります。具体的には1人1口座の限定が解除される等の予定ですので、NISAを検討される際には最新の情報をご確認ください。
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